S&P500はバブルか?対数チャートでS&P500を分析!!

初めまして、ブログ管理人の浦島太郎です🐢

最近私の知人にもS&P500のつみたてを始めた人が増えてきました。

過去30年で約10倍に成長した実績を持つS&P500は投資対象として非常に魅力的ですよね。

一方で、S&P500のチャートを見て「上がりすぎていて怖い」とか「いつ暴落してもおかしくない」といった恐怖を抱いた方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、私はS&P500が上がりすぎているとは思いません

今回の記事では、私がそう考える数多の理由のうちの一つを、チャートを眺めながら解説していきます。

・S&P500が上がりすぎではない理由
・対数チャートとは?
・S&P500を対数チャートで見るとどうなるか
この記事は特定の金融商品の売買を推奨・誘導するものではありません。
金融商品への投資は投資者自身の判断と責任において行うべきであるという考え方(自己責任原則)に基づき、投資対象の想定される最大損失額・リスク・費用等について十分な情報を収集することを強く推奨いたします。

まずはS&P500の長期チャートをチェック

まずは、過去30年間のS&P500のチャートを見てみましょう。

最初はほぼ横ばいで、現在に近づくにつれて急激に上昇しています。

たしかにバブルと言われても仕方がないチャートに見えます。

私も初めてS&P500のチャートを見た時には怖さを感じました。

しかし、価格が右肩上がりで上昇している長期チャートを見る上でこのチャートには大きな問題点があります

どのような問題点があるのか、次の章で解説していきたいと思います。

長期チャートの問題点

例えばA社の株価が1,000円、B社の株価が100円だとしましょう。

A社株、B社株がどちらも50%上昇した時、それぞれの株価は何円上昇するでしょうか。

答えは次の通りです。

A社株:
1,000(元の価格)×50%(上昇率)=500円
B社株:
100(元の価格)×50%=50円
A社の株価は500円上昇したのに対してB社株は50円の上昇でした。
同じ上昇率でも、元の価格のによって上昇金額に大きな差が出ました。
これが長期チャートの問題点です。
つまり、チャート上ではまだ価格が低いうちの50%上昇はとても小さく見え、価格が上昇してからの50%上昇はとても大きく見えるのです。
従って指数関数的にあたかも最近の株価上昇が急激に見えてしまうわけです。
私たちが本当に比較したいのは、「何円上昇したか」ではなく「何%上昇したか」です。
100円が50%増えるのも1,000円が50%増えるのも同じ意味を持つのであれば、チャート上でも同じように見えてほしいわけです。
そこで登場するのが対数チャートです。

対数チャートで見るS&P500

対数チャートを使ってS&P500の長期の値動きを見る場合、縦軸(価格)の対数を取ります。

例えば価格が1,000円であれば値をlog1,000と、価格が100円であれば値をlog100と書き換えます。

ここで、logの計算方法について軽く復習してみましょう。

対数関数logの計算方法:
① logA + logB = log(A×B)
② logA – logB = log(A÷B)
さて、この計算方法を使って前の章の例について計算してみましょう。
A社株は50%上昇したことで株価が1,000円から1,500円に、B社株は50%上昇した事で株価が100円から150円になったのでした。
それぞれの数字の対数をとって株価の上昇幅を計算してみます。
A社株:
log1,500 – log1,000
 = log(1,500÷1,000)
 = log(1.5)
B社株:
log150 – log100
 = log(150÷100)
 =log(1.5)
A社株の上昇幅は500円、B社株の上昇幅は50円と大きく異なるのに、対数を取ることで同じ値が返ってきました。
元の価格によらず「同じ上昇率は同じ値として扱う」ことに成功しました。
つまり対数を取ることで、上昇幅ではなく上昇率で比較することができ、元の株価に影響を受けることも無くなりました。
対数チャートで過去30年間のS&P500の値動きを見ると下のグラフのようになります。
いかがでしょうか。
比較的なだらかに均等なペースで上昇してきているのがわかります。
つまり、最近急激に上昇し始めている様に見えたS&P500は実は複利効果でそう見えているだけで、実際にはどの時期においても安定したリターンを上げていることがわかりました。
これが、S&P500はバブルではないと私が考える理由のひとつです。
金融機関の資料やホームページ、報道等ではこの対数チャートが使われることはないので、ある種のミスリードになってしまっている側面もあります。
長期チャートを見る際には、通常のチャートと対数チャートをうまく組み合わせて情報を整理していくことが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の記事では、

・通常のチャートは上昇率ではなく上昇幅で形成されていること

・上昇率を見ることも重要であること

・そのために対数チャートを活用すること

について触れてみました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。